アーユルヴェーダに関する情報では、「一年を通して毎日、肌にオイルを塗る」というアドバイスが繰り返し紹介されることがあります。
1月であれば、この習慣は比較的取り入れやすいでしょう。
しかし、湿度の高い8月。汗や日焼け止め、そして肌自身が分泌する皮脂がすでに肌表面にある状態で、さらに重たいオイルを重ねると、「肌をいたわっている」というよりも、不快な重さを感じることがあります。
「オイルを塗る」というルーティンが、今の時期にはしっくりこない理由
これは、季節に合わせてルーティンを柔軟に変える必要があるというサインです。
そして、それこそが本来のアーユルヴェーダにおける「季節に合わせた過ごし方」の考え方です。
8月の肌は何が違う?
日本の蒸し暑い夏。昼頃になると、肌は通常、いくつもを同時に抱えています。
汗、自然に分泌される皮脂、日焼け止め、そして空気中に含まれる高い湿度。
こうした状態の肌に厚くオイルを重ねても、乾燥した季節と同じように「うるおい」が加わるわけではありません。
すでにさまざまなものが存在している肌表面に、さらにもう一層加えることになります。
だからこそ、今の時期には「より軽やかなケア」が適しています。
これは、オイルを使うこと自体が間違っているという意味ではありません。
大切なのは、季節に合わせて、使うタイミングと量を変えることです。

汗をたくさんかいた後のクレンジング
暑さや運動、あるいは通勤などでたくさん汗をかいたときは、その後に何を塗るかよりも、まずやさしく肌を清潔にすることが大切です。
- できるだけ早めに、冷たい水またはぬるま湯で汗を洗い流しましょう
- 強すぎたり、乾燥を招いたりするものではなく、肌にやさしいマイルドな洗浄料を使いましょう
- 特に汗がしばらく肌に残っていた部分は、こすらず、タオルでやさしく押さえるように水分を拭き取りましょう
このステップだけでも、その後に何を使うか以上に、肌の快適さを保つことにつながります。
保湿は必要。でも、より軽やかに
夏でも、肌にうるおいが必要なことがあります。
特に、エアコンの効いた環境に長時間いる場合は、湿度の高い季節であっても肌が乾燥することがあります。
- 日中は、重たいオイルベースの保湿剤よりも、軽い水分ベースの保湿剤を使いましょう
- 肌が少し湿っている状態で塗ると、なじみやすくなります
- オイルなどのリッチな保湿は、ひじやかかとなど、乾燥しやすい部分に限定し、全身に使うのは控えましょう
目指したいのは、肌が心地よく過ごせるだけの十分なうるおいを与えながら、熱や汗を肌の下に閉じ込めるような重たい層を作らないことです。
オイルが役立つ場面
だからといって、オイルを完全に避ける必要はありません。
ただし、湿度の高い時期には、厚く重ねる日中のケアよりも、涼しい時間帯に少量を使うほうが適しています。
- 一日の汗をかく時間が終わった夜に、少量のオイルを使うほうが、朝に塗るよりも取り入れやすいでしょう
- 全身をオイルで覆うのではなく、乾燥しやすい部分を中心に使いましょう
- 湿度の高い時期には、重たいオイルよりもココナッツオイルのような比較的軽いオイルを選びましょう
8月のオイルケアは、毎日の全身ケアではなく、夜に少量を必要な部分へ使う、ポイントを絞った習慣として考えてみましょう。

服装と日常のちょっとした選択
何を肌につけるかと同じくらい、何を着るかも肌に影響します。
コットンやリネンなど、通気性のよい天然素材の衣類は、汗を肌に長時間とどめるのではなく、蒸発しやすくしてくれます。
特別な製品を使わなくても、これだけで肌への刺激を減らすことにつながります。
また、特に湿度の高い日には、ゆったりとした服を選ぶことも大切です。
ぴったりとした衣服は、熱や湿気を肌との間に長時間こもらせてしまうためです。
新しいものを使うときはパッチテストを。そして、合わなければ使用をやめる
新しいオイル、保湿剤、ハーブ製品などを試すときは、まず腕の内側などの小さな範囲に少量を塗り、全身など広い範囲で使用する前に1日ほど様子を見ましょう。
夏の肌は、汗や暑さの影響をすでに受けているため、普段よりも刺激に反応しやすくなることがあります。
赤み、かゆみ、不快感などが生じた場合は、使用を中止してください。
これは、ハーブ製品であっても、それ以外の製品であっても同じです。
「肌にやさしい成分」とされているものであっても、今の自分の肌に合わないのであれば、その反応は肌からのサインです。
アーユルヴェーダのケアと、医療の領域の境界線
いくつかの症状については、ホームケアで対処するのではなく、エビデンスに基づいたスキンケアや医療的なアドバイスに委ねることが大切です。
日焼け止め
毎日、適切なSPFの日焼け止めを使用し、表示された方法に従って塗り直しましょう。
アーユルヴェーダのオイルやハーブで、日焼け止めの代わりをすることはできません。
あせも
小さくかゆみのあるブツブツができ、それが数日経っても治まらない場合、または広がったり悪化したりする場合は、自分で対処し続けるのではなく、医師や薬剤師に相談しましょう。
続く肌トラブル
赤み、痛み、腫れなどが続いている場合や、やさしいケアをしても改善しない症状がある場合は、皮膚科医に相談してください。
アーユルヴェーダのルーティンは、日々の肌を心地よく健やかに保つためのサポートになります。
症状によってはセルフケアだけで対処せず、医療機関で適切な診察や治療を受けることが大切です。
「今の季節」に合ったルーティンを
- 汗をかいた後はやさしく肌を清潔にする
- 日中は軽めの保湿をする
- オイルは夜に少量だけ使う
- 通気性のよい衣類を選ぶ
- 新しい製品を使う際には、適切にパッチテストを行う
これらを意識することで、蒸し暑い8月の肌に必要な基本的なケアの多くをカバーできます。
そして、通常のスキンケアの範囲を超える場合には、適切な判断が必要です。
日焼け止め、あせも、長引く肌の炎症や刺激については、必要に応じて医療機関などの専門家に相談しましょう。
自分自身の肌の傾向を知るために、「ドーシャ・クイズ」も是非ご活用ください。